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2023年8月5日、7日にXクラスフレア発生

太陽面西端の活動領域13386群にて、2023年8月5日22時21分UT(世界時、日本時間-9時間)、7日20時46分UTにXクラスの太陽フレアが発生しました。

1. 2023年8月5日UTの太陽フレア(X1.6)について

太陽面西端の活動領域13386群において、Xクラス(X1.6)の太陽フレアが発生しました。この太陽フレアに伴い、5日22時15分から22時45分(日本時間6日7時15分から7時45分)に日本各地でデリンジャー現象が発生しました。SOHO探査機の観測によると、この太陽フレアに伴い、秒速1800kmの高速なコロナ質量放出(CME)が放出されましたが、太陽の西側方向へ放出されたため、地磁気および電離圏への大きな影響はありませんでした。

GOES衛星の観測によると、静止軌道の10MeV以上のプロトン粒子フラックスが5日11時15分UTごろに10PFU [/cm2 sr s] を超えました。上昇した原因は、X1.6クラスフレアの約15時間前に発生したMクラスフレアと考えられます。プロトン粒子フラックスは、5日17時45分UTに最大の18PFUに達したのち、いったん減少したものの、X1.6クラスフレアに伴い再び上昇しました。その後は徐々に減少し、6日5時35分UTに10PFUを下回りました。

2. 2023年8月7日UTの太陽フレア(X1.5)について

太陽面西端の活動領域13386群において、再びXクラス(X1.5)の太陽フレアが発生しました。SOHO探査機の観測によると、このフレアにともない、秒速2000kmの非常に高速なCMEが放出されました。CMEは地球方向にも広がっていたものの、地磁気および電離圏への大きな影響はありませんでした。

また、X1.5クラスフレアの影響で、静止軌道の10MeV以上のプロトン粒子フラックスが8日1時15分UTごろに10PFUを超えました。その後、9日0時25分UTに最大の47PFUに達したのち、徐々に減少し、10日9時55分UTに10PFUを下回りました。

(1) SDO衛星/可視光観測による8月6日0時15分UTにおける太陽表面の黒点の様子。太陽面西側(画像右端)の活動領域13386で8月5日と7日(UT)にXクラスの太陽フレアが発生した。
(2) GOES衛星による8月4日〜10日(UT)のX線フラックスの観測値。図中の矢印②と③がXクラスの太陽フレアの発生を示す。X線フラックスのピークが10-5 [W/m2] を超えるイベントをMクラスフレア、10-4 [W/m2] を超えるイベントをXクラスフレアと呼ぶ。矢印①はプロトン現象Aの原因となったMクラスの太陽フレアを示す。
(3) GOES衛星による8月4日〜10日(UT)の高エネルギープロトン粒子フラックスの観測値。この期間、太陽フレアの発生に伴い矢印Aと矢印Bで示すようにプロトン現象が2度発生した。