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2024年2月9日に発生したXクラスフレアおよび関連現象について

太陽面裏側に回り込んだ直後の活動領域13575において、2024年2月9日13時14分(UT)にXクラス(X3.3)の太陽フレアが発生しました。Xクラスフレアが発生したのは2023年12月31日にX5.0フレアが発生して以来およそ1ヶ月ぶりです。

このフレアは日本時間では夜間(日本時間2月9日22時14分)の発生であったため、日本国内ではデリンジャー現象(短波減衰)は観測されませんでした。GOES衛星によると、静止軌道の10MeV以上のプロトン粒子フラックスが2月9日13時55分UT頃から上昇をはじめ、9日15時30分UTにプロトン現象の基準である10PFUを超えました。その後も上昇を続け、9日18時15分UTに100PFUを超えました。SOHO探査機によると、このフレアにともないコロナ質量放出(CME)が放出されましたが、地球方向への放出ではなかったため、地磁気への大きな影響は観測されませんでした。

活動領域13575は既に太陽面裏側に回り込んでいるため、今後当該領域の活動が地球に影響する可能性は低いと考えられます。

(1) SDO衛星/可視光観測による2月7日0時15分(UT)における太陽表面の黒点の様子。画像中に示した活動領域13575が太陽面裏側に回り込んだ2月9日(UT)にXクラスの太陽フレアが発生した。
(2) GOES衛星による2月6日〜12日(UT)のX線フラックスの観測値。図中の矢印がXクラスの太陽フレアの発生を示す。
(3) GOES衛星による2月6日〜12日(UT)の高エネルギープロトン粒子フラックスの観測値。この期間、太陽フレアの発生に伴いプロトン現象が発生した。