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2024年3月28日のXクラスフレアとその後のMクラスフレアの地球への影響

2024年3月28日20時56分UT(日本時間3月29日5時56分)に、太陽面西端の活動領域13615において、X1.1クラスのフレアが発生しました。このフレアは日本時間では明け方の発生であったため、デリンジャー現象(短波減衰)は観測されませんでした。SOHO探査機の観測によると、この太陽フレアにともない、同日の23時UT頃にCME(コロナ質量放出)が発生しました。このCMEは、太陽の西側方向へ放出されたため地球に到来せず、地磁気および電離圏への影響はありませんでした。

その後、今回X1.1クラスのフレアを発生させた活動領域13615では、2024年3月29日から4月1日にかけて、30日21時16分UTに発生したM9.4クラスフレアを含む計6回のMクラスフレアが発生しています。Mクラスフレアの発生に伴い国内で観測されたデリンジャー現象は以下の通りです。

・3月29日2時30分UT(日本時間29日11時30分):日本各地
・3月30日21時30分〜21時45分UT(日本時間31日6時30分〜6時45分):稚内と国分寺
・4月1日1時30分〜1時45分UT(日本時間10時30分〜10時45分):日本各地

活動領域13615は、4月5日現在、既に太陽面裏側に回り込んでいるため、今後の当該領域の活動が地球に影響する可能性は低いと考えられます。

(1) SDO衛星/可視光観測による3月28日21時0分UTの太陽表面の黒点の様子。
(2) SOHO探査機による3月28日23時0分UT頃の太陽コロナ観測画像。
(3) GOES衛星による3月27日〜4月2日UTのX線フラックスの観測値。