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2024年5月27日~6月10日にかけてXクラスフレアが6回発生
概要
2024年5月27日~6月10日にかけて、活動領域13697(図1)にて6回のXクラスフレアを含む太陽フレアが断続的に発生しました。これらのフレアに伴い、日本各地でデリンジャー現象が発生しました。また、高速のコロナ質量放出(CME)や高エネルギープロトン現象が発生しました。
活動領域13697について
今太陽活動周期最多となる13回のXクラスフレアの発生が観測された活動領域13664が太陽の自転に伴い活動領域13697として再出現し、大規模な太陽フレアが複数回発生しました。Xクラスフレアは5月27日~6月10日にかけて6回発生し、最大のフレアの規模は5月27日7時8分UTに発生したX2.9クラスでした。
この期間に国内で観測されたデリンジャー現象は以下の通りです。
・5月27日7時00分~7時30分UT(日本時間27日16時00分~16時30分、以下JSTと表記):日本各地
・6月4日6時30分UT(15時30分JST):国分寺、山川、大宜味
・6月8日1時30分~2時30分UT(10時30分~11時30分JST):日本各地
・6月10日6時15分UT(10日15時15分JST):日本各地
また、6月8日1時23分UTにM9.7のLDEフレア(継続時間の長いX線フレア)が発生し、8日2時UT頃にハロー型CME(図2)が発生しました。これにより、10日16時UT頃に衝撃波が到来しましたが、地磁気・電離圏に大きな影響はありませんでした。
GOES衛星の観測によると、静止軌道における10 MeV以上のプロトン粒子フラックスは、6月8日2時00分UTから上昇をはじめ、8日2時55分UTに10 PFUを超えてプロトン現象が発生しました。さらに、プロトン粒子フラックスは上昇を続け、8日8時00分UTに最大1028 PFUに達した後、9日21時40分UTに終了しました。

(2)SOHO探査機による6月8日2時UTごろの太陽コロナ観測画像。
(3)-(4)GOES衛星による5月26日~6月10日UTの太陽X線フラックスの観測値。
(5)GOES衛星による6月3日~6月10日UTのプロトン粒子フラックスの観測値。