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2024年9月12日~9月14日にかけてXクラスフレアが2回発生

2024年9月12日9時43分UT(日本時間18時43分)に太陽面東端の活動領域(のちに活動領域13825と採番)(図1)においてX1.3クラスの太陽フレアが発生しました(図3)。このXクラスフレアは日本時間では夜間の発生であったため、デリンジャー現象(短波減衰)は発生しませんでした。また、このフレアにともなうコロナ質量放出(CME)は観測されませんでした。

同領域では、2024年9月14日15時29分UT(日本時間15日0時29分)にX4.5クラスの太陽フレアが発生しました(図3)。このフレアも日本時間で夜間の発生だったため、国内でデリンジャー現象は発生しませんでした。探査機SOHOによると、この太陽フレアにともないハロー型のCMEが発生しました(図2)。探査機DSCOVRの太陽風観測から、16日23時UT頃に衝撃波 が観測され、CMEが地球周辺に到来したことが確認されました(図4)。太陽風速度は470 km/s前後から560 km/s前後、磁場強度は9 nT前後から20 nT前後へ上昇しました。磁場の南北成分は一時-18 nT前後の非常に強い南向きの状態となりました。気象庁地磁気観測所(柿岡)によると、9月16日23時29分UT(日本時間17日8時29分)に急始型地磁気嵐が発生し、18日4時UT(日本時間18日13時)頃に終了しました。この地磁気嵐にともなう地磁気水平成分の最大変化量は約143 nTでした。

活動領域13825はその後徐々に衰退し、前述のX4.5クラスフレアの発生以降、22日までMクラス以上のフレアは発生しませんでした。しかし、現在は太陽活動極大期にさしかかっており、多数の活動領域が太陽面上に存在することから、今後も大きな太陽フレア発生等を警戒する必要があります。

(1) SDO衛星/白色光観測による9月14日15時30分UTの太陽表面の黒点の様子。丸で示した部分がXクラスフレアを起こした活動領域。
(2) 探査機SOHOによる9月14日16時00分UTごろの太陽コロナ観測画像。
(3) GOES衛星による9月11日〜17日UTの太陽X線フラックスの観測値。
(4) 探査機DSCOVRによる9月13日〜19日UTの太陽風磁場(上段)と太陽風速度(中段)の観測値、および気象庁地磁気観測所(柿岡)のK指数(下段)。K指数は地磁気変動の活動度をあらわす指数の1つ。