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2024年10月24日〜11月1日のXクラスフレア、プロトン現象について
概要
2024年10月24日および26日に、太陽東端の活動領域13873において2回のXクラスフレアが発生しました。これらの太陽フレアに伴い、日本各地でデリンジャー現象(短波減衰)が発生しました。また、10月26日から11月1日にかけてプロトン現象が発生しました。
詳細
1. 10月24日 X3.3フレア
2024年10月24日3時57分UT(日本時間12時57分)に太陽東端の活動領域13873(図1)でX3.3クラスのLDEフレア(継続時間の長いX線フレア)が発生しました(図2)。この太陽フレアに伴い、国内で観測されたデリンジャー現象は以下の通りです。
発生日時(日本時間) |
発生場所 |
---|---|
10月24日 12時45分〜13時30分 |
日本各地 |
10月24日 13時30分〜14時30分 |
国分寺、山川、大宜味 |
探査機SOHOの観測によると、この太陽フレアに伴い、24日3時UT頃(日本時間12時頃)に速度約2300km/sのハロー型のCME(コロナ質量放出)が発生しました(図3左)。地球近傍に位置する探査機DSCOVRの観測によると、26日15時UT頃(日本時間27日0時頃)に衝撃波が観測され、CMEが地球周辺に到来したことが確認されました(図4、衝撃波到来①)が、地磁気への大きな影響はありませんでした。
2. 10月26日 X1.8フレア
当該活動領域13873(図1)では、10月26日7時19分(日本時間16時19分)に再び、X1.8クラスのLDEフレアが発生しました(図2)。この太陽フレアに伴い、国内では以下のデリンジャー現象が観測されました。
発生日時(日本時間) |
発生場所 |
---|---|
10月26日 15時15分〜15時30分 |
日本各地 |
探査機SOHOの観測によると、この太陽フレアに伴い、26日6時UT頃(日本時間15時頃)に速度約1600km/sのハロー型のCME(コロナ質量放出)が発生しました(図3右)。探査機DSCOVRの観測によると、28日4時UT頃(日本時間13時頃)に衝撃波が観測され、CMEが地球周辺に到来したことが確認されました(図4、衝撃波到来②)が、地磁気への大きな影響はありませんでした。
3. 10月26日〜11月1日 プロトン現象
GOES衛星の観測によると、静止軌道上(高度約36,000 km)での10 MeV以上の高エネルギープロトン粒子フラックスは10月24日11時UT頃(日本時間20時頃)から上昇を始め、26日19時10分(日本時間27日4時10分)に10PFUを超えました(プロトン現象)。このプロトン現象は、10月24日に発生したX3.3フレアおよび10月26日のX1.8フレアに伴って発生した高エネルギープロトン粒子が到来したものと考えられます。その後、27日8時35分(日本時間17時35分)に100PFUを超え、11月1日8時45分(日本時間17時45分)に10PFU以下の低いレベルまで減少しました。当該期間中の高エネルギープロトン粒子の最大値は、エネルギー10MeV以上のプロトンで28日13時50分(日本時間22時50分)に観測された363PFUでした。