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2026年6月30日にX1.1フレア、7月4日にX1.3フレアが発生

2026年6月30日と7月4日に合計2回のXクラスの太陽フレアが発生しました。Xクラスの太陽フレアの発生は2026年6月3日以来、27日ぶりです。

2026年6月30日のXクラスフレア

2026年6月30日20時50分UT(日本時間7月1日5時50分) に、太陽面中心付近の活動領域14479(図1左)においてX1.1の太陽フレアが発生しました(図1中央および図2)。このXクラスフレアは日本時間で早朝の発生でしたが、日本国内でデリンジャー現象は観測されませんでした。

図1:SDO衛星(米国NASA )/白色光観測による太陽表面の黒点の様子(左)と同/極端紫外線観測によるX1.1太陽フレアの様子(中央)。探査機SOHO(欧州ESA・米国NASA)によって観測されたコロナ質量放出の様子(右)

図2:GOES衛星(米国NOAA)による6月28日〜7月4日UTの太陽X線フラックスの観測値

探査機SOHOの観測により、この太陽フレアに伴うコロナ質量放出(CME)の発生が観測されました(図1右)。このCMEは北方向への放出のため地球への影響は大きくないと想定されました。一方、STEREO衛星の観測によると、その後、同じ活動領域から別のCMEが地球方向に放出されていることが確認されました(図3)。地球近傍に位置する探査機SOLAR-1によると、7月3日11時UT頃(日本時間3日20時頃)にCMEによる衝撃波が観測されました(図4上)。

図3:STEREO衛星(米国NASA)によって観測されたコロナ質量放出の様子

その後、太陽風速度は約390 km/sから約600 km/sへ上昇し、太陽風磁場強度は約6 nTから約20 nTへ上昇しました。太陽風磁場の南北成分は約-15 nTの非常に強い南向きの状態に一時なりました(図4上)。気象庁地磁気観測所(柿岡)によると、7月3日11時58分UT(日本時間7月3日20時58分)に急始型地磁気嵐が発生しました。この地磁気嵐に伴う地磁気水平成分の最大変化量は約198 nTでした。この地磁気における最大K指数は7月4日0〜6時UTと12〜15UT(日本時間4日9〜15時と4日21時〜5日0時)に観測されたK=6でした(図4下)。地磁気嵐は7月5日18時UT頃(日本時間7月6日3時頃)に終了しました。

図4:探査機SOLAR-1 (米国NOAA・NASA)による6月30日~7月6日UTの太陽風磁場と速度の観測値(上)と気象庁地磁気観測所(柿岡)による地磁気指数(下)。

山川(鹿児島)におけるイオノゾンデ観測によると、3日21時~4日0時UTと4日9時~4日12時UTにIN2(※)の電離圏負相嵐を観測しました。また、日本上空における全電子密度観測によると、北海道北部で4日6時~9時UTにIP2の電離圏正相嵐が観測され、日本国内全域で4日21時~5日3時UTの間にIN2からIN3の電離圏負相嵐が観測されました。これらの電離圏嵐は3日から5日にかけて発生した地磁気嵐の影響を受けたものと考えられます。※電離圏嵐指標I-scaleについてはこちら

現在、活動領域14479はすでに太陽面裏側に回り込んでおり、今後の当該活動領域の活動が地球に影響する可能性は低いと考えられます。

2026年7月4日のXクラスフレア

2026年7月4日20時41分UT(日本時間7月5日5時41分) に、太陽面東端においてX1.3の太陽フレアが発生しました(図5)。Xクラスフレアに伴いCMEの発生が確認されましたが、CMEは地球方向の放出ではなかったため、地磁気や電離圏へのCMEの影響は確認されませんでした。

図5:SDO衛星(米国NASA)/極端紫外線観測によるX1.3太陽フレアの様子(左)。GOES衛星(米国NOAA)による7月1日〜7月7日UTの太陽X線フラックスの観測値(右)

このXクラスフレアにより、日本時間7月5日5時45分に稚内(北海道)と国分寺(東京)でデリンジャー現象が観測されました(図6)。このデリンジャー現象により、図6のように短波帯(3〜30 MHz)のエコーが減衰しており、短波帯を用いた通信がしにくい状態となりました。

図6:国分寺(東京)で日本時間5日5時45分に観測されたデリンジャー現象の発生直前(左)と発生時(右)のイオノグラム画像。現象発生時に短波信号が吸収されて反射エコーが弱くなっている様子が顕著にみられる。